2019_01_16-1
今日は庭のブログはお休みして
アマチュア無線の移動運用で
使うアップバーターの製作を
ご紹介します。
移動運用とは無線設備の常置場所を
離れてフィールドに出かけ、
海、山、公園、道の駅などから
オンエアすることを言います。
フィールドでは無線設備の電源が
発動発電機かバッテリーになるのですが
ここではバッテリーを電源に
する場合の電圧補償をする装置について
製作したことをブログで紹介します。

移動運用では無線機とパソコンを使用します。
無線機の定格電圧は直流13.8V、
パソコンは直流19Vで起動しています。
ところがバッテリーは使えば段々と
起電力が降下して定格電圧を
維持できなくなります。
起電力が降下するとメーカーが
保証する性能を維持できないので
13.8Vを補償する回路が必要になるのです。
例えば11Vに起電力が降下しても
補償回路を通れば13.8Vに維持される、
そんな回路がアップバーターなのです。
またパソコンは12Vバッテリーでは
電圧が足りないので19Vに昇圧
してやる必要があるのです。

写真は全体の内部を写しています。
右側の端子にはバッテリーをつなぎ、
左側の端子から無線機へ、パソコンは
オーディオ用のピンジャックから
電源電圧を取り出します。

昇圧の主要部分は既製の
モジュールを購入しました。
1500ワット30アンペアまで
取り出すことが出来ます。
モジュールは無線機用と
パソコン用とで二つになります。
無線機用はアマゾンから、
パソコン用もアマゾンで
購入したのですがそれぞれ
およそ3500円と550円程度、
ケースや陸軍端子、デジタルの
表示器などを合わせても
6千円ほどで作れました。
アップバーターは市販製品を買えば
3万円弱程する高価なものです。
無銭家の方はぜひ作ってみてください。

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赤黒の陸軍端子からバッテリに
つなぎますがバッテリの
取り扱い中にショートすると
危険なのでプラグヒューズを
付けて保護回路としています。
熱収縮チューブを被せています。

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赤黒端子は無線機をつなぎます。
ピンジャックはパソコンです。
ツマミは左へ倒すとバッテリの
電圧を表示しますので
移動運用中は絶えず電圧を
監視しながら運用するのですが
モジュールは起電力が11Vに
なると遮断するようになっており
バッテリの過放電を防止します。
しかしながら11.5Vになると
遮断して過放電を避けたいのです。
過放電をするとバッテリの
サルフェーション現象で
著しくバッテリの寿命を縮めます。

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ツマミを真ん中にすると無線機に
供給している電圧を指示します。
バッテリの起電力にかかわらず
いつも13.8Vを維持し続けます。

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ツマミを右側にすれば
パソコンに供給される
電圧を指示します。
この場合もバッテリの
起電力にかかわらず
19Vを表示しています。

そんなことをしなくても
エンジンをかけ続けながら
自動車のバッテリから
電源をとればいいじゃない?
と思う方もあるでしょうが
バッテリは別個に用意しなければ
帰るときにバッテリ上がりで
JAFを呼ばなければ帰れない、
そんなことになるのです。
それに自動車のエンジンを
かけ続けるのはエコ環境に
良くないことじゃないですか。
今回はガーデニングを趣味とする
方たちを対象に記事を書きました
無線局を運用する方々には
くどい説明になったかと思います。