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昼も夜も相変わらず
寝ているだけである。
歳も17歳6ヶ月になった。
若い時は朝夕に集落一周を
歩いた距離は少ない日でも
4kmほどだったから
犬は活発だと思っていた。
クラちゃんと一緒に暮らして
思うことは意に反して
クラちゃんの老後が
人間と同じように介護が
必要になるなんて夢にも
考えたことがなかった。
老いは人間と同じで
耳や目が不自由になり
足腰も弱り、犬の自慢の
嗅覚さえ衰えてしまう。
そんな年月の流れの中で
私がクラちゃんの内面を
知り、クラちゃんが私を
信頼することでお互いの
強い絆が出来上がった。
今ではかけ甲斐のない
家族になったように思う。
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犬を飼った経験のない私は
犬の飼い方の本を買い、
従順な犬として躾るために
先ず始めたことは家族の
序列を教え込むことだった。
母ちゃん、愛娘、私、クラの
順に序列が出来あがった。
犬は序列を間違うと飼い主の
言うことを聞かなくなる。
犬は上下関係をもつ動物、
飼い主がリーダーになり
犬を従順に従うように
育てなければならない
子犬の頃、悪戯をすると
クラちゃんを仰向けにして
お腹に五本の指を当てて
「いけない」と叱ってやった。
そうすることで私の方が
強いということを悟らせた。
犬の一番弱い点はお腹である。
犬に襲われ噛みついてきたら
お腹を蹴り上げることだと
聞いたことがある。
犬は弱点を蹴られることで
相手の方が強いと思い
降参するのだそうである。
いや余談にそれてしまったが
犬に序列を教える場合に
暴力を使うことは厳禁である。
人間の手は美味しいものを
くれる優しい手なんだと
教えなければならない。
暴力を使うと痛さや恐怖から
逃れるために噛みついて
反撃をする癖がついてしまう。
噛み癖のある犬は飼い主の
暴力によることが多いという。
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いつの間にか余談だらけに
なってしまったが犬の序列を
下に置くことの意味は従順な
犬に躾けるためである。
仮に序列を間違って飼い主より
犬の方が序列が上になると
飼い主の指示に従わない。
犬は要求が通らなければ
噛みついて要求をする。
そして犬自身がリーダーに
なると来客など外部の人に
家族という群れを守る
ためにうるさく吠える。
そんなことになると犬など
飼わなければよかったと
後悔をすることになり
犬を裏切って殺処分すると
言うような犬にとっても
人間にとっても不幸な結果に
なることも報告されている。