私が野菜づくりを始めたのは
定年退職後のことだった。
何もわからない状態で
ゼロからのスタートだった。
NHK出版の野菜づくりの本を買い、
土づくりや肥料の知識、
夏野菜の育て方などについて
最低限の基礎知識を学習した。
まず、土づくりは苦土石灰を撒いて
土を中和することが基本だと知った。
ところが、である。
作物には酸性に傾いた方が
いい場合もあることを知ったのは
昨年の秋のことだった。
ジャガイモはPH5~PH6程度が
適正であることを知った。
PH7が中性、それより低いと酸性土、
高いとアルカリ性土なので
弱酸性が適正だと思った。
以来、
種イモを植え付ける前の畝づくりでは
苦土石灰は使わないことにした。

元肥は一畝あたり牛糞40L、鶏糞20kgに
化成肥料、有機ペレット肥料を撒いて
さらに植え付けのときに種イモ間に
化肥とペレットを混合した置き肥を施した。
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従来は種イモの植え付けの深さは
6センチほどの深さに植えていた。
しかしジャガイモは親芋から上に
芋が増えていくということだった。
そのために土寄せといって谷の土を
畝に被せてやると芋の数が増える。
そんなことを知ってから種イモを
埋める畝の深さを15センチほどにした。
それには溝を掘って種イモを置き、
さらに
種イモ相互の間には有機ペレット肥料と
化成肥料の混合をひと掴みずつ置いた。
その結果収穫量が目に見えて増えた。
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ある日、
夕食の食卓に新ジャガとイカの煮物が出た。
スーパーで新ジャガを買ったと妻が言った。
わが家でもジャガイモを作っているので
翌日試し掘りをすることにした。
3株ほど掘ると男爵イモがごろごろ出て来た。
大きさも手ごろな大きさになって
これよりさらに大きくすると味が拙くなる。2014_06_17-3
育ち具合も適頃、天気もいいので
全て掘り上げることにした。
上手く育っていると芋掘りの重労働も
一向に苦にならず楽しい作業である。
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スコップで掘り上げていくと土の中から
ゴロゴロとジャガイモが出て来る。
潮干狩りを楽しんだ
あの感覚が甦って来る思いだった。
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時折、スコップが芋を突き刺し、
傷物になったり芋虫に食われて
穴の開いた芋も出て来た。
私は土の中に生息する虫の殺虫剤は
使ったことがなかった。
でも殺虫剤を使わない割には
虫食いの芋が少なかったので良かった。2014_06_17-6
こちらはメークインである。
男爵に比べると細長い形だ。
食感は男爵より柔らかい分、
煮くずれもするので煮物より
サラダに向いているそうだ。
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メークインとキタアカリを合わせると
一人で持つのは重過ぎるほど量があった。
種イモの植付けはメークイン2kg、男爵、
キタアカリが各々1kgで計4kgだった。
これまでのジャガイモづくりの中では
最高の豊作だった。
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一方、こんな屑芋が沢山出た。
畑の中にこれを残すと次の作物の畝から
予期せずして芽を出してくるので
食べなくても丁寧に拾いあげ、
処分しておく方が良い。
自分で栽培した新じゃがを
バター焼きや肉じゃがで食べると
一層美味しくいただける。